進む高速鉄道計画 日本、中国などが売り込み

  本紙の10月5日号で、着々と広がるバンコクのBTS、地下鉄網を紹介したが、タイの主要都市を新幹線の様な高速鉄道で結ぶ大規模な計画も進行中。


 先月、羽田国土交通相がバンコクを訪れ、タイのチャチャート運輸副大臣と会談、タイの高速鉄道や都市鉄道の分野で協力することで合意した。日本としては、新幹線の高い技術をアピールし、高速鉄道システムをタイへ売り込みたいところだ。インラック首相は、今年4月の訪日の際に九州新幹線に試乗している。


 雲南省からラオス、タイ、マレーシアを経由しシンガポールに至る壮大な鉄道計画を持っている中国からも積極的な売込みが行われており、欧州の企業も高い関心を示している。


 来年初頭に国際入札が行われる予定で、翌年に着工し、早ければバンコク~チェンマイ間(約745㎞)を結ぶ高速鉄道が、2018年から運行開始されるかもしれない。


 バンコクを起点にチェンマイ、ノンカイ、ウボンラチャタニー、ラヨーン、パダンブサールへの路線が計画、調査されている。完成すればバンコク~チェンマイが鉄道で3時間半ほどで行けるようになる。


 タイの高速鉄道計画は、日本の新幹線より鉄道貨物輸送力強化の狙いが大きいのが特徴だ。工業部品、農産物などの流通網に劇的な変化が予想され、タイ国内の産業分布にも多大な影響が出そうだ。夢のある計画だが、高速鉄道の出現に伴ない、活性化する街もあれば衰退する街も出るだろう。地域格差が広がる可能性もある。


 高速鉄道ではないが、旧日本軍が第二次大戦中建設し、現在はタイ・ミャンマー間で途切れている泰緬鉄道(約420㎞)を復活する計画もある。タイとミャンマー政府間では、現在廃線になっている部分を整備改修することで合意している。


 泰緬鉄道は軍需物資運搬のため日本軍が建設した鉄道だが、民主化により開発の進むミャンマーへの物資の輸送強化の必要から復活の計画が出てきた。新泰緬鉄道が出現すると、バンコク-ミャンマー間の経済交流が大きく促進される。観光業からも注目されそうだ。


 新泰緬鉄道は、今年の雨季明けから測量調査を開始すると発表されている。この路線にも、高速鉄道が走る日が来るかもしれない。