タイでロングステイ 自分で作ったものを自分で食べるのが最高のぜいたく

タイでロングステイ

 1年ほど日本に戻っていた。何もやることもなく、昼間に家を出て、目的もなくブラブラして、夕方に家に戻る。そんな生活を送っていて、「やっぱりタイがいいな」と思い、舞い戻った。
 東レの子会社でタイで駐在員を終え、そのあと関連会社で8年ほど働いた。それも終わったとき、何をやろうかとヒマをもてあます日々だったのだ。


 すでにバンコクから1時間半ほどのスパンブリー県に移住していたが、日本から舞い戻って、家の庭の土をいじるようになった。68歳のときだ。まさか自分が野菜やくだものをつくるとは思ってもみなかった。しかし、今はいろいろな作物を試してみて、失敗するものもあり、成功するものもあり、そういう毎日が楽しい。


 キウイを試したが失敗した。でも再挑戦したいと思っている。さくらは3年目に枯れた。でもやはり、日本人だからさくらの花を死ぬまでには成功したい。
 ゴボウはよく取れるがタイ人は食べない。夕方にこしらえたすきやきの中に入れて食べると、これがまたうまい!じゃがいもは成功しなかった。土が違うのかも知れない。ぶどうは昨年、ようやく実をつけた。また、日本のようななすではないが、ちゃんと紫色の長なすに成長している。桃太郎のような熟したトマトではないが、小柄のトマトをもぎとって塩をふって食べるとこれもまたおいしい。自分でつくったものを自分で食べるのは最高のぜいたくだ。


 家の後ろには3mほど深く掘って、そこに水をはり、今ではプラーニン、プラーサワイ、プラーチョン、プラードゥクなどが取れる。はすが一面に覆われていて、網を張って取ることができず、釣りをして1ぴきずつ取っている。それもまた楽しい。
 朝2本、昼間2本、夜に2本、ビールを飲む。アーチャービールが好き。こんな破天荒な生活ができるのもタイにいるから。日本だとこうはいかない。


 昼間は日ざしが強いため、朝と夕方に手入れをする。それでも結構、体力を使う。
 収穫すれば、タイ人のパートナーが顧客に売っている。そのあたりは自分は関心がない。1ヵ月に5千バーツくらいになるのかも知れない。


 一方、1ヵ月の出費は3万バーツほどにはなる。やはり毎日ビール6本、そのほか、肉類、月に1回バンコクに出かけて買う中古本など。出費分は年金でおぎなえる範囲だが、今、住んでいる場所から15㎞ほどにあるパートナーの実家の畑では、もっと稼げると思う。いずれは引っ越しをするつもりだ。まだ土をいじって3年にしかならないが、生きがいを感じている。
 タイで定年を迎えたとき、付き合っていたタイ人女性に「実家のあるノンカイへ行って畑をいっしょにやろう」といわれた。「あほか!(2面につづく)そんなんする気ないわ!」と断ったが、今にして思えば、そのまま行っていれば、とも思う。

 でも、あれから12年たち、今だから楽しめるのかも知れない。


 大角護さん(72歳)は日やけした顔をほころばせる。とても72歳には見えない。どう見ても60歳前後だ。都会の喧騒を離れ、農家をやっている人は生き生きしているのかも知れない。ストレスがないのかも。


 今回、大角さんを取材したのは、日本人でタイでロングステイをやっている人は多いが、なかなかタイでうまく生活できていない人も多い。そんななかで、生き生きと余生を過ごしている大角さんの生活を垣間見ようと伺ったのだ。
 待ち合わせたスパンブリー市内のロータスにやって来た姿は、モーターサイに乗り、前には黒く年老いた犬を乗せている。「まるでタイ人やんか~」
 着いた家も話に聞いていたほど立派ではなく、掘っ立て小屋に毛の生えたようなものだったが、それはまわりの人が感じるもので、彼は十分に満足していて、楽しんで生きているようだ。そういう姿を見られたのはよかった。


 大角さんを見て、タイでこのように余生をうまく生きていくために感じるのは、①タイで働いた経験があること。それにより、タイ人というものを知っているし、接し方もわかっていて、タイ人のリズムで生活できる。 ②タイ人のパートナーがいて、土地がある。これはなかなか、一般の日本人がやって来て、うまくめぐり合えるものではない。 ③楽しみを見い出している。晩年ではあるが野菜やくだもの作りというものにめぐり合った。そして④安定した収入(年金)がある。3万バーツの出費は年金でおぎなっているからだ。


 タイでロングステイをしようとする人は増えているが、こういう風に、タイで生き生きと年金生活を送っている人はどれくらいいるだろう。なお、大角さんの連絡先は080-433-2819まで。タイでもこんな野菜やくだものが作れる!という情報があれば連絡してあげてほしい。

 

 ロングステイのビザ等に関しては タイ自由ランド事業部  ℡081-566-9015 まで。

  

2011年2月20日 タイ自由ランド掲載

 

 

 

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