タイのコミュニティでの高齢者サービス

タイでロングステイ

 タイでも将来的に訪れる高齢化社会。その対策として日本のJICAタイ事務所が協力して、高齢者向けサービスのモデル形成プロジェクトが行われ、4年の実績を積んだ。


 4つの地域をモデル地区とし、その1つがノンタブリー県。実際にプロジェクトが進行しているバンクルアイ群バンシートン町をJICAの関係者らといっしょに訪れた。


 バンコクの隣の県で、都心から車でも1時間余りで行ける距離。
 バンシートン町自体は小さな町で人口は約8400人。中心となるお寺の中にコミュニティーセンターがあり、その中に歩行補助具やフラフープなどの簡単な器具があり、リハビリ室が用意されている。維持費等は住民の寄付などで集め、ここに登録されている保健ボランティアは100人ほどおり、そのほとんどは町のお年寄りなどだ。


 そして同センターのすぐ近くに診療所があり、看護師が半常駐しており、以前は30バーツ医療で受けられたが、今では無料で医療が受けられるという。


 続いて、この町に住む一人暮らしのお年寄りの自宅にも伺った。質素な家で、若いころは果樹園の仕事に携わっていたが、今は子どもたちの仕送りで暮らしており、近くにその子どもたちが住んでいて、食べ物なども持ってきてくれる。さきのコミュニティーセンターには週に2~3回通い、そこが憩いの場となっており、知人や同じお年寄りと雑談をするのが健康を維持する秘訣だという。一人暮らしについては、近くに子どもたちもおり、寂しくはないと。

 

 続いて訪れた自宅は、比較的、裕福な家で、お年寄りとその孫が迎えてくれた。話をしている最中に、保健ボランティア3人が訪問して来て、生活状況をチェックし、お年寄りの話し相手になっている。それぞれ担当を決めて無料で訪問しているそうだ。このようにこの町ではコミュニティセンターを中心に保健ボランティアが活動し、コミュニティーの中でお年寄りをケアするモデル地区として、JICAが支援しており、その手を離れるこれから、このモデル地区の成果をいかにタイ全国で生かしていくのかなどが試される。


 現在、タイの高齢者施設についてはJICAの資料によると、関係省庁が直営している高齢者要介護施設がタイ全国で12施設あり、1400人ほどが利用している。そのほか、自治体運営の老人ホームが13施設で1100人ほど。


 そのほか、赤十字、カトリック、民間等を合わせると、全体で138施設ほどになるという。
 日本では特別養護老人ホームだけで5892施設あるわけで、とにかくタイでの施設数は日本に比べても段違いに少ない。


 もちろん、日本ほどの高齢化社会になっていない状況だが、こちらもJICAの資料によると、60歳以上の高齢者の人口比率は、2010年で日本は30.5%。タイでは11.5%となり、40年後の2050年にはタイで26.4%を占めるようになる。4人に1人が高齢者という社会だ。

 

 このようにタイでは急激な高齢化を近い将来、迎えることになり、それにいかに対応していくかを今後、考えていく必要がある。


 現状は、貧弱な社会保険制度の問題がある。公務員以外は高齢者の年金等もほぼない状態で、介護への公的給付などもない。

 

 自宅での介護を助けるプロもほとんどいない。そのため、今回のモデルとなった保健ボランティアなどを育成し、資格を取れるようにして職業として成立させることも必要だろう。


 さて、これらのタイでの取り組みにより、高齢者への介護サービス等が整備されれば、日本人の高齢者がタイに来てそのサービスを受けることも可能になる。人件費等が日本に比べてまだまだ安いタイだから、日本人の年金の範囲内でサービスを受けることができるだろう。
 ことばの問題や、病院での医療費の問題もあるが、高齢化に向けたサービス事業はこれから徐々にタイでも立ち上がってくる分野であろう。

 

 ロングステイのビザ等に関しては タイ自由ランド事業部  ℡081-566-9015 まで。

 

2011年9月5日 タイ自由ランド掲載

 

 

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2011年9月5日 タイ自由ランド掲載