タイ産日本米が不足している理由
今年になってタイ産日本米が、タイの量販店やレストランで少なくなったという話題がありました。色々な噂として、その訳を流されていますが、本当の事を知ってもらうために今回、この場をかりて記載いたします。
まず、現在、タイ北部チェンライ、パヤオ、ランパーン、そしてチェンライ各県で栽培されている日本米(ジャポニカ品種)のタイ政府資料数値によると、2011年9月の段階で年間栽培収穫量は次のようになっています。栽培面積:40,000ライ収穫面積:39,500ライ籾集荷量:34,000トン精米数量:15,000トン ちなみに、1995年の日本米栽培並びに市場販売数量は籾数量:1,400トン精米数量:500トン
この数値からしますと約15年間に30倍の規模に市場拡大した事になります。 では、どうしてこのように生産数量が拡大したのかと言いますと、2000年を前後して日本人の増加、日本食ブーム、そして日本レストランが急増し、そこに加工用食品や冷凍すしの輸出が加わり、日本米需要が急激に増したのです。
では、栽培増加が進んだ日本米栽培が、なぜここに来て減少したのでしょうか? それは、現政権が誕生した2011年9月以降から籾買い取り担保制度により栽培農家の日本米離れが起きたためです。ではなぜ、農家が日本米栽培をやめ、タイ米に移行したのでしょうか?
北部タイは年間2期作が可能な地域と水確保が出来ない1期作地域があります。そして、北部の主たる栽培品目は雨季作には高品質ジャスミンライス (ドクマリ105品種)と糯米(モチ米)が栽培されます。しかし、この雨季作に栽培される品種は感光性と言う性格を持っているため、乾季作には栽培されません。そのため、乾季作にはタイのホワイトライス(アミローズと言う成分が高く水分が吸収しやすいパラパラの米)が栽培されますが、1990年ごろから始まった日本米栽培により、乾季作には日本米栽培が適していると考えられ、以後、20年あまりの栽培過程で、籾買い取り価格などの関係で日本米栽培をする農家が増えて来たという理由があります。
今月5月の3日にチェンライの米研究所で「日本米セミナー」が盛大に開かれ、多くの関係者が集まり、日本米奨励イベントが行われました。このイベントは北部の日本米が減少したと言う事では無く、1994年に行われた本来の目的である『高級米ジャスミンライスに継ぐジャポニカ米栽培奨励』が目的です。専門会議では近い将来現在の生産量の倍増を目標にすると言う話がありましたが、まだ、北部の日本米栽培が増す保証ありません。ここ数年は此のコメ不足は続くものと思われます。又、北部の生産地条件では10~20万ライの生産は不可能であるため、新たな生産地確保に動き出しています。
最後に、タイ産ジャポニカ品種についてお話をしましょう。私1994年以降、タイのコメ局が認定したジャポニカ品種ゴーコー1号、ゴーコー2号が タイ産日本米の主力品目であると認識しており、此の2品目は1号がササニシキを原種とする品目で、2号は秋田こまちを原種とする品種で、此の2品目は30年以上の研究結果を元にタイでの年間栽培に適した品目として認定されたものです。
そのため、必ずしも日本の「ササニシキ」「秋田こまち」と 同一の品質でない事は皆さまもご承知であると存じます。また、もし日本から無断で種子を持ち込み、育成をしても、本当に大量の栽培が出来るだけの種子を確保するには3―4期(18カ月または24カ月)の育成を経て種子となりますから、この間に米自身の努力でタイの環境になじむ為の性格変化が起き、米品質は変化します。もちろん、その後もタイの環境で育成しますから、日本の有名なブランド銘柄と同じ品質米は出来て来ない事になります。
このような訳ですから、あえて日本から品種を持ち込む事無く、タイ政府が認定した1号、2号がタイの農家にとって安心できる種子である事は言うまでもありません。販売される企業の努力により、タイ産ジャポニカに有名ブランドが必要であるか否かは消費者の方々がお考えになる事だと思います。
私は1993年から日本米栽培に携わり、タイの政府日本米認定にも関与した経験があります。当時と現在の日本米を比較すると、格段に品質が向上して居ます。匂いが臭いと言われたタイ産日本米ですが、今は香り、照り、粘りに於いて、合格点を頂けるタイ産日本米に成長したと信じています。
今後の日本米市場はますます拡大するでしょう。そして、近い将来北部生産地が中央穀倉地帯で栽培がなされ、価格、品質、そして量的問題を解決されると信じます。当分は輸入米に依存せざるを得ませんが、来年の4月以降、新たな産地米が市場に出荷できるよう、私どもグループが準備を始めていますので、どうか、お待ちください。尚、輸入米とタイ産ジャポニカのうまみ等の品質が異なる理由は、コメには短粒種(ジャポニカ)と長粒種(インデカ)とがありますが、同じ分類種であっても数多くの品種があります。
日本だけを見ても何100種もの短粒品種銘柄があるように、ジャポニカであっても日本品種であるとは限りませんので、この事をご理解ください。タイのジャポニカは戦後間もなくタイの研究者が取り入れた日本品種が基礎とした、高品種育成をしている生産国です。この事は日本のコメを好まれる人たちにとっては貴重なコメですので、どうかタイ産ジャポニカを大切に育てて頂きたいと思います。 (タイの農産物生産者&コンサルティング 安田修三)
2013年5月20日 タイ自由ランド掲載
料理店一覧
会社概要
起業、会社設立
各業務のカテゴリー
賃貸アパート物件情報
賃貸オフィス、工場仲介
店舗物件仲介
新規コンドミニアム
食材卸、店舗内装、工事
業務用食材、お酒
起業、会社設立、税金、会計
求人、求職
イタリア料理、フランス料理、ドイツ料理、ギリシャ料理、スペン料理など
シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナム、レバノン、イランなどの料理店
日本料理店
焼肉店
韓国料理店
タイ料理店
中国料理店
フュージョン
ラーメン、中華
居酒屋さん
宴会によい日本料理店
喫茶、スイーツ、ケーキ
スナック、カラオケ、バー
ネット、インターネット、seo
パソコン購入、修理、IT、ソフトウェア
バンコクの開発
ペット、子犬
メガネ
リサイクルショップ
レンタカー
仕立て、スーツ
催し、イベント
芸能、コンサート
医療、健康、漢方
病院、薬局、薬
学習塾、進学塾、子どもの教育
弁護士、裁判、法律
タイ語の通訳、翻訳
引越し
携帯、スマホ、sim
携帯、スマホの通話料金
教えます、
日本人会サークル
日本のテレビが見られる
書籍、中古、古書
歯科医院