今やタイ人シェフもウェブで捜す時代

　先行き不透明感のある日本を脱出して、もっと自由に事業をしたいと、タイで起業する日本人も多い。最近では、ＩＴやインターネット関連、旅行業、レストラン、雑貨販売などの業種の起業が多いようだ。

　ところで、会社をつくったのちはやはりスタッフを雇いたい。といってもできるだけお金をかけずに、そして、給料も１万～１万２千バーツほどのタイ人スタッフ、となると、わざわざ日系の人材紹介会社で見つけるほどでもない。

そういう時に利用したいのが、タイ人がよく見ているインターネットの求人サイト。jobthai、あるいはjobsDBで検索するとどちらもトップで出てきます。どちらのサイトもボリューム的には同じような感じには見えますが、タイ人に聞いたところ「jobthaiを見ている」という人が多いようです。

　そのサイトを見ると、Englishをクリックしても、タイ語で表示される部分もあり、やはり、タイ人向けという感じです。求人を出している会社名はずらりと出てきて、１番最新のものから順に見られるのでわかりやすい。まあ、このあたりは、新聞に載っている求人広告とほとんど変わらず、会社名、住所、電話、求人内容等が見られます。

　別に会員にならなくても、だれでも見られるので、どういう業種の会社がどれくらいの給料で求人を出しているか、というのが興味深く見られます。もっとも日本人が自分で見るためにはタイ語が読める、という前提ですが。

　今ではタイで、シェフやウェイトレスさえもこういった求人サイトで捜す時代となりました。料理店のスタッフなんて、店前に貼り紙をしておけばよい！というのが定番だったはずですが･････

ちょっと求人をのぞき見してみると、スクムビット・ソイ39のラーメン屋さんがフロアの募集をしていて、日本語ができる人。給料は１１０００バーツ。さらに＋サービスチャージ＋チップ＋食事代＋生命保険とあります。

　同じラーメン屋さんが男性のシェフを募集していて給料は１２０００バーツ＋サービスチャージ＋チップ＋食事代。

　さて、それでは実際に会社側がタイ人をどのようにして捜すのか、というのを具体的に手順を追って説明してみましょう。まず、会社として申し込む必要がありますが、その手続きについては、すべて日本人がやる、というのは難しい。タイ人に手伝ってもらうのがよいでしょう。

　流れとしてはまず、①jobthai.comのウェブサイトを見る　②Englishをクリック　③右側にあるLog in Employerをクリック　④新メンバー登録をクリック

　そこでまず、登録を済ませ、次は広告を申し込む。１ポジションを２週間で600バーツ。これが一番安いもの。２ポジションで２ヵ月なら３０００バーツ。料金的にはタイの新聞などに載せるよりもはるかに安い。しかし果たして効果のほどは？

　申し込みは銀行振り込みをし、その振り込み用紙をＦＡＸします。一応、会社登記簿のコピーを見るようですから、それを郵送するか、スキャンするか、あるいはシーロムのユナイテッド・タワーにこのjobthaiがあるので、シーロム界隈の会社なら歩いても近い。

　さて、入金を済ませたら、その日から自分の会社の求人情報がその職種の分野で一番上に載ります。どんどん新しいものが上に上にと載るので、次の日には下の方になっていますが。

　このように求人をしている会社として載るのは当然ですが、もう１つ、求職しているタイ人の情報も見られる、というのが大きい。何と、求職者の氏名、現住所、携帯電話、Ｅメールなどもすべて見ることができます。スゴイですねえ、その上、写真まで付いているのもある。学歴、祝暦の詳細、さらに身長、体重も。ここまで個人情報が簡単に見られてよいものでしょうか。驚きです。

　もうこれは、ひとつの詳細な履歴書ですね。別に自分の会社に面接に来る意志がない人の履歴書までネットで見られるなんて、ちょっと問題があるかも知れません････。しかし、当然、タイ当局の閲覧もクリアしているのでしょうから、個人情報をこれだけ見られるというのも、タイでは今のところＯＫなのでしょう。

全体で３万社ほどが登録していて、タイ全国で50万人の求職、バンコクだけでも30万人近い求職のデータが見られます。ですから２週間１ポジション600バーツで申し込めば、それらのデータが２週間の間、見られるというわけです。

　さて、このように求人した会社はただ単に電話やメールを求職者から待っているだけでなく、求職一覧を見て面接をしたいと思う人が見つかれば、すぐさま携帯に電話し、面接に来てもらうことも可能です。

能動的に動けるところがこのウェブサイトを申し込むメリットですね。クオリティーはともかく、いち早くスタッフは見つけられるという点ではよいでしょう。経営者の方は一考してみて下さい。